学童球児の年末の夢の祭典「NPBジュニアトーナメントKONAMI CUP2025」(日本野球機構、NPB12球団主催)に向けて、NPB12球団ほか全16球団のジュニアチームが各地で始動してきている。過去3回優勝の読売ジャイアンツジュニアは、9月13日に都内で練習をスタート。プロOBの指導陣の下、選ばれし18人のメンバーが基本的なメニューを精力的にこなした。今後も週末を中心とした活動で切磋琢磨しながら、2014年以来となるジュニア日本一へ向かう。
(写真&文=鈴木秀樹)
16+2人で練習をしっかり
今年のジャイアンツJr.のメンバー(※ページ最下部参照)は昨年同様、大会規定のベンチ入り16人に、サポートメンバー2人を加えた18人。7~8月に行われたセレクションを経て選ばれた精鋭たちの中には、春から夏にかけて行われた、学童軟式の全国大会や都県大会を賑わせた顔も多い。
2022年と翌23年に準優勝へ導いた西村健太朗監督は、就任6年目になる。活動開始の3連休(9月13~15日)は都内のグラウンドで、13、14日を練習に、最後の15日を練習試合にあてた。
14日の練習は、午前中限定で4時間弱。本格的な走塁練習こそメニューになかったものの、ポジション別に連係も含めた守備練習や、穴あきボールを使った打撃練習を集中的に行った。
ジャイアンツJr.には、優先的に利用できるグラウンドがない。そこで昨年までは、他のジュニアチームや各地の学童選抜チーム、中学軟式野球部などとの練習試合を積極的に組み、実戦を通したチームづくりが恒例だった。だが、今回は少し違うようだ。
「今年はできるだけグラウンドを確保して、練習をしっかりしていきたいんです」と西村監督は語る。例年、選手らの長所を見出し、個々の将来まで見据えた起用とチームづくりが印象的。今年はさらに踏み込み、限られた期間ながら、技術面の指導と育成も活動の軸に据えていくという。
練習2日目は、西村監督は専門分野の投手陣を中心に全体を見て回った。また、内野守備は黒田響生コーチ、外野守備と打撃は大田泰示コーチと、それぞれ専門分野を中心としながら選手らの動きをチェックし、アドバイスを送る姿があった。
そのほか成瀬功亮マネジャー、與那原大剛サブマネジャーら、通年スクール「ジャイアンツアカデミー」のコーチ陣も加わり、充実の指導体制。巨人の一・二軍でのコーチ歴も長い、同アカデミーの高田誠副校長は、捕手候補の選手たちに基本動作をみっちりとたたき込んでいた。
今年から新たに加わった大田コーチは、2009年にドライチで巨人に入団し、昨季までDeNAでプレーしていた35歳。この1月からジャイアンツアカデミーでもコーチとして、高学年選手の指導にあたっている。
「ジュニアチームも6年生ですし、違和感なくやれています。(ジュニアチームの指導は)まだ活動が始まって間もないので、これからですが、選手一人ひとりの長所を引き出してあげることができたら」(大田コーチ)
昨年同様16チームで開催
第21回となる今年のNPBジュニアトーナメントは12月26~29日、神宮球場と横浜スタジアムを舞台に行われる。第1回大会から出場しているNPB12球団のジュニアのほか、昨年は招待チームとして参加したオイシックス、くふうハヤテ、日本独立リーグ野球機構のルートインBCリーグ、四国アイランドリーグplusを加えた、ジュニア16チームが正式な出場チームとなり、日本一を競う。
■2025読売ジャイアンツジュニア メンバー
※名前50音順。取材時点で背番号は未公開。チーム名の太字は全日本学童大会出場
荒武晄大(谷端ジュニアスポーツ少年団)
香川幹大(西埼玉少年野球)
金山晃大(狛江ロッキーズ)
鴨志田京(高輪クラブ)
木村慎太郎(和泉少年野球チーム)
熊井健隼(深川ジャイアンツ)
榊原輝人(小金井三小メッツ)
笹川隼人(グレートベアー)
佐々木雄一郎(府中五小ファイブファイターズ)
篠田凌(用賀ベアーズ)
納冨航成(野川レッドパワーズ)
平塚翔馬(南六郷ライダース)
舩山海翔(松風スラッガーズ)
松尾錠(深川ジャイアンツ)
丸山永翔(習志野サンデーズ)
山㟁陽(豊島ブレイズ)
山崎央月(国立ヤングスワローズ)
割石有音(文京パワーズ)